■INTERVIEW
藤井フミヤ × SAM Pt.II
今回のクリエイターゲストは、前回に引き続き藤井フミヤさんが登場!
昔話に花が咲いたクラブの話題から一転、2週目は「大人の遊び」「東京」というテーマでディープな話を繰り広げます!
SAM (以下 S):先週はクラブの話で盛り上がりましたね。
藤井フミヤ (以下 F):だんだん、クラブ離れしてしまいましたけどね。
S:でも、そういうのって残っているものだし、いつ行っても感覚は戻るものですよね。
F:たまには行きたいですね。SAMさんは何年生まれなんですか?
S:62年です。
F:ホントのタメ年ですね。全部、同じ時代を生きてきた。芝浦GOLDもそうだし、アニメも社会現象もそうだし。同じ頃にブルース・リーのヌンチャク振っていたんでしょうね!
S:(笑)振ってましたね。映画館通い詰めて、強くなっちゃったり(笑)。今やお互い子供も出来ましたけど、人生観は変わりましたか?
F:40ぐらいまではイケイケだったんですけどね。40過ぎてから、ようやく落ち着いてきましたね。
S:その感覚は分かりますね。
F:若い頃に面白かったものが、そんなに面白くなくて。
S:こだわっていることがあっても、昔のようには語らなくなったし。
F:ディレクター志望だったのが、知らない間にプロデューサーになった感じというか・・・。ディレクターは基本的に好き勝手に作るんだけど、プロデューサーはお金の面倒見たり周囲の雰囲気考えたりするような感じ。もちろんディレクター的な感覚も持ちあわせているんだけど、そういう部分も知ってしまったという(笑)。
S:自分のお子さんには、将来の希望は何かありますか?
F:全然ないですね!自分の人生を振り返ると、何になるか分からないもんね。
S:これから先だって、どうなるか分からないですよね。
F:ウチの息子は中2なんですけど、最近ようやく音楽に興味を持ち始めてきて、レコードショップとか行ってますよ。まだ邦楽なんですけどね。大音量でかけまくってますよ。
S:自然とそうなるのは良いですよね。
F:「バンド組む!」とか言い始めているからね!「ようやくきたなぁ・・・」と思っているけど。
S:それは楽しみですね。まだ先の話ですけど、40代から50代となっていくにあたって「こうなっていたい」みたいな願望はありますか?
F:野望とか願望とか夢とかないんだよね。健康で酒呑めて、仕事もある程度出来ていて、遊んでいられたら一番良いね。
S:音楽にしてもアートにしても、いろんなことをやられているじゃないですか。以前、武道館のフミヤさんのコンサートを見に行かせていただいたんですけど、オープニングが当時は斬新なCG映像だったんですよ。けっこう前ですけど、その頃から自分で手掛けていると聞いて、「この人すごいなぁ」と思っていましたね。
F:いろいろ考えていましたね。でも、一時映像の方は止めていたんですよ。映像を止めてみたら視点が一点に集まるせいか、妙に盛り上がったんですよね。今年は大人っぽいラブソングのアルバムなので、アート性の高い映像を使ってみようと思ってます。
S:6月29日にはニューアルバム "奇妙な果実"が発売されました。「大人のラブソング」というのがテーマなんですよね。
F:ショーケンさんとか松田優作さんとか沢田研二さん等が、一番カッコイイと言われていた時代の昭和歌謡ロックみたいなものが作りたいと思って。
S:その頃の音楽って、今でも全然通用しますよね。懐かしさもあって、新鮮さもあって。
F:恵比寿に歌謡バーみたいなところがあって、その頃の曲がかかるんですけど、すごい新鮮なんですよ。日本語の言葉の乗せ方も、単語が面白いんですよね。だから、そういう短編恋愛小説のような昭和歌謡ロックのようなアルバムが作りたかったんですよね。
S:基本的には全編ラブソングなんですか?
F:そうですね。
S:大人のラブソングということですけど、若者の恋愛とはまた違う視点の恋愛ですよね。
F:ちょっとドロッとしているというか、熟しているというか。R指定なアルバムを作りたいと思って(笑)。
S:歌詞も自分で書いているんですか?
F:今回はシンガーに徹して、歌詞はほとんど他人に頼みました。これまでに相当書いているので、自分の詞に飽きたというか、他の表現方法のものを歌いたいと思ったんですよね。でも、他人には書くんですよ。他人が歌ってくれるとすごい新鮮なんですけどね。今回、変わったところでは直木賞作家の石田衣良さんに2曲書いてもらったんですよね。全体的に、ちょっと面白い日本語が並んだ曲が多いですね。
S:そういう意味では昭和の雰囲気が出てますよね。
F:バーじゃなくてスナックな感じを出したかったんですよ。ウイスキーの水割りを呑んでいる感じ(笑)?
S:そういうところって、妙な懐かしさがあるんだけど、変に新しく感じるところもありますよね。映像で浮かぶそういうイメージもちょっとカッコイイですね。
F:夜の飲み屋の雰囲気を渋谷とか六本木とかで考えるけど、今回は池袋とか高円寺という、ちょっとずれていてやさぐれた雰囲気を出したかったんですよね。
S:このアルバムはどんな人たちに聞いてもらいたいですか?
F:30代中心ですかねぇ。パズルのパーツの欠けたところ同士がくっついて、寂しさを補うために付き合っちゃう大人、みたいなね(笑)。
S:曲は全体的にシンプルですよね。
F:音が薄いんですよね。キーボードはほとんど使ってなくて、大人のLove Punkな感じですね。
S:ヴォーカルがすごく引き立っていて、あらためて「うまいな!」と感じましたね。
F:ほとんどスタジオ使わなかったんですよ。友だちの部屋みたいな個人のスタジオで歌ったんですよね。スタジオだとブースから卓までコードが長いじゃないですか。短い方が良いということで。
S:それって、やっぱり関係あるんですか?
F:関係あるみたいですね。海外のコードは直径が5cmくらいあるほど太いらしいんですよ。日本のコードは細いから、マスタリングだけ海外でやる人が多いんですよね。クラシック聴くために、コード一本が100万とかあるじゃないですか。
S:へぇ〜。初めて知りましたね。今年は夏からツアーが始まりますね。
F:夏から12月まで、ずっとツアーですね。どちらかというとライブハウスですけど、50本近くやりますから。だから、動かなくなったら死んじゃうマグロと一緒で、ツアー出なくなったらちょっと辛いですね。常に出張していないとイヤだな、みたいな(笑)。
S:8月19日の大宮ソニックシティを皮切りに11月まで続くんですね。ツアー詳細はこちらへ。最後に、このインタビューを読んでいる若者にメッセージを!
F:もう、ガンガン遊んでくださいよ。自分でも遊びが全部身になっていますからね。音楽もアートもいろんなことをやっていますけど、結局は遊びから膨らんで知識になり知恵になっていますから。ただ、取り返しのつかないことはやらないように(笑)。オレの友だちにも、取り返しがつかないくらいヤンチャしたヤツが何人かいたからね(笑)。
SAMが感じた藤井フミヤ
「最近は音楽以外でもいろいろとクリエイティブなものを創り上げている印象が強かったんですが、話してみると同世代ということで共感できる部分が多くて、距離が近くなった気がしましたね。」
- Posted by STAFF : 2005年07月02日 22:00 -
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